あまり驚かない馬、登場
従来の騎乗体験であれば、初心者は北海道和種という日本の在来種に乗るらしいのだが、ポロのマークに似せるという意図を汲み取っていただき、北海道和種よりも一回り大きい馬を用意してくれた。
ポニーとサラブレッドのハーフで、「フィッツ・ロイ」という名前の白馬である。フィッツ・ロイは、見慣れない物にそれほど驚かない性格らしく、容姿も含めこの企画には適役なのだ。
今回、騎乗を指導してくれる矢沢先生が騎乗前にフィッツ・ロイに水をかけ始めた。撮影に備え、フィッツ・ロイの体を奇麗にしてくれているのだ。
先生がフィッツ・ロイを洗っている間、馬の特性について色々と伺った。
・北海道和種は側体歩※1という歩き方なので揺れない。 ・だから初心者に向いてる。 ・一方、フィッツ・ロイは斜体歩※2なので揺れる。
※1:同じ側の足を同時に出して歩く様 ※2:左右前後の脚を互い違いに出して歩く様
ポロのマークに似せるという目的の為、ハードルが上がってしまった様である。
しかも、上の写真を見ていただくと分かるが、話を聞いてる段階で足を滑らせて転んでしまったのだ。買ったばかりのホワイトジーンズが台無しになっている。
馬に乗る前から腰を打ってしまい、若干痛かったので腰を押さえていたら、
「何かスポーツの経験は?」
と先生から聞かれてしまった。転んだ僕を見て不安になったのかもしれない。でも、不安なのは先生だけではない。誰よりも僕自身が自分の運動神経に不安を感じている。
本当に大丈夫だろうか?
とりあえず、先生がスティックを持って乗ってみせてくれる事になった。
これでスティックを嫌がらない様だったら初心者が乗っても大丈夫だから。 先生はフィッツ・ロイに乗ってそう言った。
先生を乗せてフィッツ・ロイが颯爽と走る。 先生はスティックをグルグル振り回している。
ポロのマークというよりも、やはり野武士っぽい。だが重要なのは野武士か否かではなく、フィッツ・ロイがスティックを嫌がるかどうかであり、その点では何の問題もなかったのだ。フィッツ・ロイは全くスティックを気にしていない。
これだったら僕が乗っても大丈夫だ。 いよいよ、騎乗させていただきます。