先日、ライターのT・斉藤さんが国内のがっかり名所と呼ばれる場所を紹介していた(記事参照)。沖縄の守礼門もランクインされていたわけだが、実は僕も守礼門のほかに「これはちょっとな」という物件を知っているのでぜひこの機会に紹介したい。
(安藤 昌教)
黄金宮
今回紹介するのは名前とのギャップが大きい(そう僕が感じた)物件だ。その名も黄金宮。英訳するとゴールデンパレス。すごいの想像するだろう。そんな名前を示した表示板が道にあるのだ。目も覚める。
表示によると黄金宮まであと430メートル。気になるのは英字標記がgolden-palaceではなくKugani-Narとなっているところだ。
矢印に従って角を曲がると坂道が続いていた。このまま住宅街を400メートルくらい歩く。黄金宮への道のりは特にみやげ物屋があるわけでもなく普通の住宅街だった。
不安になるくらいまっすぐ歩くと次の矢印が現れる。ここで曲がれと言っているのだ。そしてあと70メートルで黄金宮があるのだという。名前からしてかなり光り輝いていると思うのでこの角を曲がったあたりから見えるんじゃないだろうか。
しかし実際は角を曲がると小さな林があるだけだった。よくわからないけど他は住宅しかないのでこの林の中に黄金宮があるということなのだろう。まぶしいので木でセーブしているのかもしれない。期待と不安に押されつつ林の中をのぞいてみた。
黄金宮。
別にいいと思う。銀閣寺だって銀じゃないだろう、いろいろ事情があるのだ。
近くに黄金宮の由来が書かれていた。それによるとかつてこのあたりの畑には黄金がごろごろしていたのだとか。由来の書かれた表示板は「今後の調査が待たれています」としめられていた。切実に願うところだ。この場所は特に観光地というわけではなく、現在では地域の人たちの拝所となっているようだ。