再放送みたいだ
階段を伝って地下に降り、古久家を探して店内をさまよう。
ビルの地下は食料品や衣料品のテナントが軒を連ねているのだが、非常に雑多な雰囲気で、数十年前にタイムスリップしたような感覚におちいる。
スカパーでやっている往年の名作ドラマのワンシーンに潜り込んでしまったような店内は、なぜだろう、そこにいるお客さんもどこか昔っぽいたたずまいな気さえする。
どこからか本当にマカロニやスコッチが犯人を追いかけて走ってきそうである。
そういえばたしか、僕が子供のころにはこういう「マーケット」と呼ばれる食品店街があって、母に連れられて買い物にきたよな、と思い出す。 |