朝食は部屋に運ばれて来る頃には、皆、ポヤーとした顔で起きていた。カゴにはいった黒パンと白いパン、ハムとチーズ、コーヒー、ヨーグルト、ジャム、バター、たっぷりのポット入りコーヒー。
白いパンは、三つ編みの、不思議な形をしていた。パサつき気味で、素朴な味だった。
「これ、日本では『亀型パン』って訳されているんですよ」
そういえば、よく見るとカメの甲羅に似ている。
「編むの、面倒くさそうだね。こういうふうに焼くと、何か効果あるの?」
「さあ…。共産主義時代って、ヒマだったんですよ、全般的に。だから、編んじゃった、っていうのが真相なのかなあと思うんですけどね」
……ほんとか?
「まず、お城いっときましょう!」
「いこういこう!」
世界一美しい街プラハの、中心にあるのは、プラハ城だ。街全体が、リアルディズニーランドというわけだ。
痛い腰をだましだまし、トラムに乗って出かけることにする。
プラハの街には、地下鉄とトラムが縦横に走っている。
チケットはホテルや駅の売店、券売機で買える。
トラムのなかや、駅入り口で、自分で機械にチケットを突っ込んで「ビビビビッ」と、時間を印刷してもらう。
係員もいない(!)「全部、自分でやってね」方式だ。ヤル気を出せば、タダ乗りは簡単らしい。
でも警官が時々「チケット見せてください」とやって来る。なかった場合は罰金だそうだ。私たちも旅行中、一度だけチェックされた。 |