■広い展示室へ
1階の広い部屋へ入ると、時計台や札幌農学校(北海道大学)にまつわる歴史が展示されている。
最近だと、平成7〜10年にかけて、時計台の補修が行われた。
私は平成7年に札幌に引っ越してきたのだが、引っ越してすぐ時計台を見に行ったら工事中。
当時の時計台は、すっぽりとシートがかぶせられていて、ぜんぜん見えなかった。
その後3年姿を拝めなかったため、そのまま「時計台見たい熱」が冷めてしまい、実際に見たのはだいぶ後になってからのことだったりする。
なお、この平成7年の補修はかなり大規模だったらしく、時計台のあちこちを分解し、再度組み立てたらしい。
その様子も展示で見ることができるのだが、例えば屋根板1枚直すのにも、外した後、腐った部分だけを細かく切り出し、新しい板を同じ形に切ってはめこみ、それから元に戻したのだという。
気の長いパズルのようだが、そこまでして「可能な限り古い木材を使おう」というポリシーで修復していたのだそうだ。
時計台のシンボル大時計も、この補修の際に文字盤を塗りなおされていた。
映像で見たところ、想像以上に無造作に塗りなおされていて驚いた。
てっきり文字盤は浮き彫りになっているとか、もしくは別パーツをくっつけているのかと思ったが、修理のオジサンがペンキで数字を描いていただけだった。
そんな時計台に、親しみが湧いてしまった。
さらに修理の歴史をさかのぼると、時計台は今とは屋根や壁の色が違ったそうだ。
今は赤い屋根に白い壁だが、外壁を塗りなおした後を削ってみると、外壁が灰色だったり茶色だったりした時期もあるのだとか。
このように、建物の歴史をひもといただけでも、マジメに見てみるとなかなか興味深い。 |