ささいな違和感は、楽しみの対象になる。
こわもての男性が可憐な女性のような声だったり、赤ちゃんが大人びた発言をしたりすると、思わず笑ってしまう。それは、本来あるべき姿とずれることによって生じる面白さだろうと思う。
たとえば、場面によって聞こえるべき音をずらすことで、同様の面白さが感じられないか。今回はそういう試みです。
(text by 三土たつお)
音をずらそう
唐突になにを言っているのか、と思われるかもしれない。というか、たぶんそうでしょう。
まずは簡単な実例をごらんください。
何ということはないふつうの卓球の場面である。だいぶへっぴり腰だが。
次に、これの音をずらしてみる。
お前の玉はどこまで飛んでるんだ、という感じにならないだろうか。
こんな風にして、次々ずらして行こうというわけです。