56歳、単身東京でバーを始めた理由
私もマスターも程よくお酒が回ったところで早速お話しを聞く側に回ってみました。
Q.いつからこの店をやってるんですか?
A.12月の末にここを任されたから、まだ3ヶ月くらいですかね。
なんと。思いもよらない回答が返ってきました。
3ヶ月前までは別の方がマスターをしていたそうです。この店のオーナーが鈴木さんと友人だったこともあり、前任の方がカナダへ行くことになってマスターがいなくなってしまうからこの店をやらないかと誘われて始めたんだとか。
でも56歳という年齢から考えて、それまで何をしていたのかが気になるところです。
Q.ここを始めるまでは何をしてたんですか?
A.関西の方で経営してた会社がポシャってもうたんですわ。
予想だにしなかった過去の経歴。社長さんだったとは。
しかも関西出身。これでコテコテの関西弁の謎が解けました。
半年前くらいに経営していた会社が倒産してしまい、無職になって途方にくれていたところに友人からこの話が持ち上がり、仕事を何もしないわけにはいかないからと思い切って始めてみたそうです。
でも多少の経験がなければ勢いだけでいきなり東京でバーを経営するのは困難なはず。
Q.じゃあ経営してた会社も飲食関係だったんですか?
A.いやいや、30年近くずーっとデスクワークと外回りですよ。飲食店なんてかじったこともないですわ。
本当に勢いだけで始めたようです。そんなことってあるのか。
ご家族は?と聞くと、奥さんと娘さんが2人いるそうです。
一家の主のこの突拍子もない発想に、当然家族の反対があっただろうと思っていたのですが、これが全く無かったそうで。
「むしろ東京でがんばってこい!ってケツ叩かれましたわ〜」と明るく話していました。
ところでかなり余計なお世話なのですが、勢いで始めてしまったこのバーの経営はうまくいってるのかが気になる、というよりむしろ心配になります。
お店は順調ですか?と聞くと、これがかなり順調だそうだ。
ここでちょっとしたバーの裏話を聞けました。
カクテルは原価が3割、ビールは5割だそうです。つまり、カクテルが出れば出るほど儲かるんだとか。
目から鱗、と思いつつそんなことまで喋ってしまっていいのかいマスターとまた心配になりました。
ちなみになぜ「バー」なのに「カフェ」なのかはマスターにもわからないそうです。そんなもんなのか。 |