パワーポイントで作った横長のプレゼン資料をよく見かける。
図を多用し、独特のパステルカラーで着色されている。不思議なイラストもちりばめられている。会社勤めをしている人には一般的だが、やっぱりあれは独自の風習だと思う。
独自の風習よばわりしてしまったが、嫌いじゃない。面白いと思う。むしろどうでもいいことさえあのフォーマットで表現してみたいと思う。
妙な説得力が出たりしないだろうか。
(林 雄司)
たとえばある日の昼食にサバを食べたこと
夜は海鮮居酒屋になっている店に入った。ランチメニューも魚中心である。年々魚好きになっているのでやっぱり魚を食べたい。体のこともちょっと考えている。しかし刺身定食980円は高くないか。うーん、あ、でも日替わりと焼き魚がなんだったか入り口で見てくるの忘れた。煮魚は確かサバだった。
迷っているがもう注文を取りに来ている。早く決めなければならない。
煮魚定食にした。サバの味噌煮である。このサバに至るまでの過程をプレゼン風に表現するとこのようになる。
すべて脳内で行われていることだが、説得力が出た気がする。「コンセンサス」などというカタカナ語、「及び」の多用。仕事した気になってすばらしい。サバ食べただけだけど。
サバのうまさを満喫していると、向かいの同僚が食べている食事が魅力的であることに気づいた。
肉とは言っても鶏ならばよかったのではないか。やっぱり肉は魅力的だ。あっちにしてもよかったかもしれない。
さっきの過程がいきなりつまづいてしまった。次回からは海鮮居酒屋だってことを気にせずに肉を頼んでみようか。
この過程をプレゼンするならばこうなるだろう。
僕は朝と昼を兼ねているので1日2回しかごはんを食べられない。そのうち1回を失敗するとすごく損した気になる。失敗したから別のものを食べなおし、ということができない。
そんなリスクを避けるためにも、ランチ(兼 朝食)を選ぶ際の指針をまとめておきたいところである。5つのポイントを共通の頭文字をとって整理してみた(よくこういうのあるよね)。
隙間が空いたのでクリップアートで埋めてしまった。よくできたプレゼン資料でも1枚ぐらい、こんな気の抜けたスライドがあるものである。
かつて「インターネットは5つのCである」という資料をまとめていた知人が、Contents、Commerceなどまではよかったが最後のひとつで苦しんで、Calendarと入れていたのを思いだした。カレンダーかよ。