こころのなかの泥棒
と、ここまでで「“泥棒”になろう」という今回の意図がおわかりいただけたと思う。
“泥棒”と聞いて思い出すあのコスチューム、ヒゲ・ほっかむり・唐草模様の風呂敷。冷静に考えれば本物の泥棒はこんな格好はしていまい。けれど、この格好の人を見ると誰もが必ず「泥棒!」と思ってしまう。
この不思議に乗っかって、泥棒じゃないのに泥棒なってしまおうという試みなのだ。
私たちの体を流れる泥棒かくあるべきという血潮。つまり意匠の力ということなのだろうが、こんなにも強い共通意識ってそうそうないんじゃないかと思うのだ。すごいぞ、泥棒。 |