攻防1 四角形じゃない土地をどう使うか
写真1は東京の住宅街を歩いているとよく見かける光景、何の変哲もない住宅に囲まれたコインパーキングである。
しかし、視点を変えてあなたがこの土地の所有者で、コインパーキングをこれから設置しなければいけないと考えたとする。なかなか使いづらい土地だろう。四角形じゃないし、中途半端な大きさである。もちろん、駐車できる台数を増やしたほうが利益にはつながる。
いろいろ考えた結果、たどり着いたのが現在の形というわけだ。手前に2台、奥に2台。写真からは分かりづらいかもしれないが、奥の2台も微妙に水平じゃないのだ。
攻防2 負の連鎖
次のパーキング。(写真2)のパーキングは水平に規則正しく並んでいる。
しかし、後方注意という看板がやたらと目立つ。後方のブロック塀は別の所有者のものなのだろう。しかし、いくらなんでもこの状況で後方にぶつけるような人はいないんじゃないか。これが後方注意なら世界中のパーキングの後方に後方注意と記しておかなくてはならない。
なぜこれほどまで後方注意と書かなくてはならないのか。その理由はもう少しひいた写真で分かる。
実はこの駐車場は僕の家の近所にあるので事情を把握している。ここは駐車スペースのちょっと前に、微妙な隙間がある。本来ならこのスペースを利用して車がでていくのだろうが、Aのように本来の駐車スペースに留めずに、ウィンカーを点灯させたまま短時間駐車する人が多いのだ。
これにより、正規の方法で駐車している人はどうしてもぎりぎりまで後方にバックしてから道路に出るしか方法がなく、よってB地点でブロックを崩す人があとを絶えないのだろう。負の連鎖に翻弄される駐車場。
勤勉に働いて、将来は土地を買って、その土地を駐車場にしてそのパーキング料で楽に生きていこうと考えていたが、駐車場ビジネスも大変なのかもしれない。 |