化石採集と聞いて、どんな様子を思い浮かべるだろうか。山中の、露出したガケのようなところで、体を斜めにへばりつかせてツルハシで発掘するようなイメージだと思う、誰しも。
が、聞いたところによると、私も以前近くに住んで慣れ親しんだ「多摩川」、その川に化石採集できる場所があるという。
そういうの大好き。鉱石が近所の川で採れるとか、そういう話大好き。 化石が、がぜんリアルに迫ってきた。うおーもう行くしかない!
(乙幡 啓子)
靴に一番悩む
「聞いたところによると」というのは、友人の仕事仲間からの話である。彼曰く、
「露出してるんすよ!露出」
とのこと。何だそりゃ。しかし静かに興奮している感じが伝わり、ますます興味が出てきた。
が、彼がサッと書いて手渡してくれた地図がすごかった。
なんというか、地図も人それぞれということだ。
それでも最寄の駅は最低限聞いていたので、この宝探し地図を持って日本中さまよわなくてもいいのだった。その駅とは、小田急線和泉多摩川だ。
おおざっぱながら化石採集の準備をし、さあ出発!
堰を越え、川沿いに歩くとほどなくして、(ここか?!)と思える風景に行き着いた。
それまでふつうの水面を見せていたのが、川床がどうも様子が違う。ふつう、水面のその下には、角の取れた丸い石がごろごろしているものだが・・・。