この夏から環境省が「クールビズ」を提唱している。室温28℃のオフィスでも快適に過ごせる様に、ノーネクタイ、ノー上着ファッションで過ごそう、という提案だ。 すべてのオフィスで室温設定を28℃にすると、ひと夏で約160〜290万トンの二酸化炭素を削減する事が出来るという。それが多いのか少ないのか良く分からないが、きっと何もしないよりは環境に役立つのだろう。 しかし、28℃だ。それはほぼ真夏日の気温で、上着を脱いでネクタイをはずしたくらいでは追いつかないくらい暑いんじゃないだろうか? かねてからそう感じていたので、この際検証してみようと思う。
28℃ってどれくらいなんだろう?
(text by 住 正徳)
検証の日、東京地方の最高気温は32℃、連日の真夏日にウンザリ気味ではあるが、エアコンの設定温度を28℃に上げた。送風口から出て来る風は冷たくない。扇風機の前に氷をおいて風を冷たくしようとしてみた。それくらいの感じだろうか。
しばらく経つと室温がきっちり28℃になり、お世辞にも涼しいとは言えない部屋になった。この部屋でスーツ姿で仕事をしてみる。
5分もしないうちに、ワイシャツの下に汗がにじみ出てくる。次第に胸元にたまった汗がしたたり始めた。暑い。頭がボーッとしてくる。明らかに仕事に向かない環境だ。
上着を脱いでネクタイを外すと体感温度は2℃下がるというので外してみた。
しかし、スーツ姿で28℃を過ごした余韻が残っていて、そう簡単にはクールダウンされず、汗は中々ひかない。
水温28℃を体感する
今度は水温28℃を体感してみる。 室温28℃は暑かったが、28℃の水の中は涼しいんじゃないだろうか。
湯船に28℃の水を溜める。
屋内の温水プールは、大体30℃くらいに水温が設定されているという。なので、この28℃はほぼ温水プールと同じ温度という事になる。
手を突っ込んでみるが、温水というよりは、ほぼ水だ。冷たい。
で、
スーツ姿で水温28℃の水につかった。 室温28℃とは全然違う。暑くない。この28℃だったら上着にネクタイでも大丈夫だ。全身を包む清涼感。これぞクールビズ。
快適か快適じゃないか。 どちらかといえば快適だ。
二酸化炭素削減にも役立つし、夏は水の中で過ごすのがいいかもしれません。 途中から寒くなったけど。