カリフォルニアの青い空の下で
横田基地(横田飛行場)は言わずと知れた在日米空軍の基地だ。
福生、立川、昭島、武蔵村山、羽村市と瑞穂町の5市1町にまたがっているにもかかわらず、正真正銘の米国所有地。
そして、内部はカリフォルニア州である。
セレブ雑誌で、白い手袋をした手でブランドショップの買物袋を両手いっぱいに持っていたモデルの横に書かれたクソコピー
「ちょっとニューヨークへ買物へ」
を実に苦々しくながめたものだが、濡れた手をジーンズで拭きながら
「ちょっとカリフォルニアの公衆便所へ」
と、正々堂々と言っていいのである。いいだろう。
数年前までは、幾度となく訪れていた横田基地。
いつも玄関ゲートで、スポンサー(招待する側)と自分の名を告げていた。
警備員はあらかじめ予定していた訪問者リストを確認したうえでスポンサーに電話で確認。
承認が降りるとそのまま自家用車で乗り入れることができていた。
だが今回は事前に、一般車両の入場はできないことを告げられていた。
アメリカ同時多発テロ以降、基地はかなり神経質になっているとのことだった。
しかめっ面の再会
基地の中は定期的に無料のシャトルバスも走っているが、ゲートにはMが車で迎えに来てくれている。
久しぶりの再会。いつものように満面の笑みで迎えてくれると思っていたら、神妙な面持ちのMが遠くに見える。
なんだよ、私の髪が黒いのがそんなに気に入らなかったのかよ。
そうではなかった。
先にきていた友人と、あまりにも厳しくなった警備についてミーティングをかましているのだった。
横田基地内は広い。
総面積はおよそ7,136,413平方メートル、わかりやすく比較すると東京ドームの153倍。もっとわかりやすく説明しますと私の好きなアワビを35682個も敷き詰めた大きさにもなる。なんとすごい。
この35682個の中に、米軍司令部、管制塔、誘導路、整備工場などはさることながら、旅客ターミナル、消防署、図書館、郵便局、保育園から大学、ゴルフコースまでその他生活に必要なものは全て揃っている。
私は日本にあるこの小さな大国を、まだ訪問したことのないみなさまにご紹介するべくカメラをかまえた。
|