アルバートカイプ通りの市場へ
市場に到着!
・・・と思ったらやってない。というか、ない。
もしかして場所を間違えちゃったんだろうか?
通りの名前を確認してみる。
やっぱりココだ。
だがどっからどう見てもただの道。市場のかけらもない。
ああ、なんでないんだろう。というか、どうしよう。
不安になりながらそこらへんをしばらくウロウロ。
すると、ぞくぞくと人が集まってきた。小さな車(?)も集まってきた。後ろにはスチールパイプやら板やらを引っぱってきた。まわりの人々はそのスチールパイプを車から降ろすと、手早く組みはじめた。テントだ。どうやら市場の朝は店舗作りからはじまるらしい。
私も何度かテントを立てたことがある。いちばん最近では高校の運動会だか文化祭だかそんな時で。1つのテントを立てるのに、何人もで支え、掛け声とかかけながら持ち上げちゃったりして。結構重くて面倒な作業で、出来ればやりたくなかった。
そんな私の苦手作業を、軽々とこなしている人たちが目の前にいる。みるみる立ち並ぶテント。確かに、このテントはかなり作りが簡単で、陳列棚だって、ただ長い板をテントの足部分に渡しただけのもの。でもだからといってこんなテンポ良く立てていくなんて素人にはできない。すごい。とにかく手早い。
店の目の前に………
ふとあることに気がついた。
みんな店の前に店を立てている。
ちゃんとした建物の店の前に、テントの店を並べているのだ。いくらあいだに歩道があるとはいえ、これじゃ建物の店が全然目立たない。これって営業妨害にはならないんだろうか。
そんな私の心配をよそに、もう道はほとんどテントで埋まってしまった。そしてまたしても小さな車が現れた。しかも今度は木製で、同じく木製のトレーラーを引っぱってきた。どうやら商品はこの中らしい。
商品が並べられれば、いよいよ開店だ。
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