今回の現場は千葉県沼南町のお花屋さん
現在、毒蝮さんのミュージックプレゼントはTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」の1コーナーとして、毎日10時30分からの30分枠で放送されている。月曜日から金曜日までの生放送を35年間続け、毒蝮さんが訪れたお店・会社は約8200軒にものぼる。
今回、僕がお邪魔する放送の現場は千葉県沼南町にある花屋の「花たき」さんだ。
「10時くらいに現場に来ていただければ、大丈夫なので、ええ」
マネージャーの千葉さんから事前にそう言われていた。
千葉さんは「はぶ三太郎」という芸名を持っていて、毒蝮さんのお弟子さんでもある。電話口のゆっくりとした喋り方から、穏やかな人柄を想像していた。実際にお会いしてもその印象は変わらず、「ハブ」という雰囲気は感じられなかった。なるべくお邪魔にならない様にしますので、と恐縮する僕を見て
「いやあ、もう、どうぞどうぞ、ゆっくり楽しんでいってください」
と優しい言葉をかけてくれた。
そんな千葉さんの雰囲気は現場全体にも共通していて、本番30分前なのにピリピリとした緊張感は漂っていない。ギャラリーもまだ集まっておらず、朝のポカポカとした日射しの中、TBSの技術スタッフさんが黙々と放送の準備をしている。毒蝮さんの姿はまだ見えない。
「いつもこんな感じですよ、うちの現場は。焦っても仕方ないでしょ」
とはいえ、ラジオの、それも生放送の現場など経験のない僕はソワソワしてしまう。本当にギャラリーは集まるのだろうか?
「みなさんお家でラジオを聞いてるんですよ。10時半から始まるって知ってるから、直前にやって来るんです」
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